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つづく第五法廷は、かの有名な閻魔王が死者を裁くところとなる。 この閻魔庁には、いわば高性能のビデオともいうべき浄波璃≠ニいう水晶でできた鏡があり、死者の生前の悪業がすべて映し出されるしくみになっている。 さて、なにせ閻魔王が相手であるから、うっかりうそをつこうものなら、舌を抜かれる。 ところが(余談だが)、閻魔というのは意外にやさしいのである。 「あなたは地獄に堕ちるよりしかたがない。・・・しかし、あなたのために、遺族が追善供養してくれるかもしれない。だから、もう少し待ってあげよう」と、やさしく語りかけてくれるケースが実は意外と多いのだ。これは閻魔の生い立ちと関係がある。
というのもインド神話によれば、閻魔は人類最初の人間なのだ。 したがって、最初に死んだ人間も彼が最初ということになるし、なにせ死者第一号なのだから、当然、死後の世界に到達した一番乗りということにもなる。彼が死後の世界の王となったのはそのためである。