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そうして死後の世界の王となった彼の住む世界は、最初は天上にあった。妙なるBGMが流れ、花ばなの咲き乱れる美しい世界である。ところが、そのうち、彼の王国には悪人もやってくるようになり、 王国は乱れに乱れる。 その結果、彼の王国は、天国と地獄に分割されることとなったのである。閻魔にしてみれば迷惑な話である。 地獄の世界までも運営しなくてはならなくなったからだ。
しかも閻魔は、やがていつのまにか、天界の王としての地位を忘れ去られ、地獄の王とだけ記憶されるようになったのである。だから、閻魔にしてみれば、地獄の世界の審判官であるのは不本意なことといえる。できるならば、罪人を苦しめるようなことはしたくない。彼自身、天界で楽しく日々を送りたい身だからだ・・・。閻魔が死者たちに寛大なのは、こういう理由による。
ともあれ、中陰の世界も終わりに近づく。次が第六法廷だ。ここでは変成王の裁きが下される。秤を使って裁きを行った五官王と、鏡を使って裁いた 閻魔王の報告にもとづいて、審査が行われるのだ。念には念を入れるというわけである。