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今の幸せを感謝する事無く棚に上げ、欲張る事ばかりを考えておる山さんは、かみさんが言う通り煩悩のかたまりじゃ。
「和尚さんそれはきついのう」
時として煩悩は良い面も持っておるが、大半は我欲の塊であって悪い方に作用しておる。私の数珠を見てみ、玉は百八ある。つまり人間に宿る百八煩悩を意味しておる。ちなみに私の方に向いている玉が百八煩悩ならば、山さんの方に向いている玉は百八菩薩になる。数珠を摺るという事は、百八煩悩をすり潰すという意味がある。そして百八菩薩の心を宿す、それが即ち念誦じゃよ。
「和尚さん、わしも少しは煩悩を減らさんとあかんのう。どうしたら煩悩は減るかのう?」
毎年大晦日にお寺に行くと除夜の鐘を突くじゃろう、山さんも一突きさせてもらうとええ。その後に煩悩消滅と心で念じるのじゃ。それも一つの方法じゃが、多くの人様が参るので中々一突き出来るか分からんがな・・・。
その場に居るだけでも功徳じゃが山さんの気性上、一突きしないと治まらんわな。
「他に方法はないかのう?」