あっそうじゃ、大阪にある佛光院というお寺に参ると良いぞ。 あそこの除夜の鐘は少し変わっておってな。 「どんな風に？」 ん、確か大晦日の午後十一時から本堂で今年最後の勤行が始まって・・・。 「始まってその後は？」 ん〜、そうじゃ。勤行が確か二十五分ぐらいで一旦中断され、その後皆で懺悔の文を声を揃えて読み、一度読むと鐘を一回お坊さんが突いてくれる。それを百八回繰り返すと、ちょうど百八煩悩の鐘を成るのじゃ。 「しかし和尚さん、わしなんかが読めるんじゃろうか。その、ざんげなんとかが？」 心配ない山さん。ちゃんとプリントしてあって、読み易い様に仮名が振ってあったから安心して参られ。 「時間はどれ位かかるのかのう？」 百八回読み上げたら午前零時前で、その後お坊さんが着替えの為少し休憩があって、新年初勤行が午前零時から始まり約三十分くらいじゃったのう。その後お話を聞いてそれで終わりじゃ。だから全部で一時間四十分ってとこかの。