なんじゃ？ 「 働いても働いても家にはお金が残らない。これはきっと、我が家には沢山の鬼が住み着いて福の神を寄せ付けないのではないかと。」 ほーそれで鬼退治か？ 「そうそう、沢山の鬼を追い払うには、少しの豆じゃ足らぬじゃろう。」 しかし山さんの鬼は幾ら沢山の豆を投げても出て行かぬぞ！ 「え〜どうして？？？」 せっかくだから本当の『鬼は外、福は内』の話をしてあげよう。 「おぅ、これはありがたい早く話してくれ。」 そうせかすな、少し長い話故、心して聞くのじゃぞ。 「はい和尚さん。」 昔、中国の山の中でおじいさんとおばあさんが越冬する為、二人で贅沢せずにおれば丁度足るだけの食料を蓄え、春を待っておったそうじゃ。 ある吹雪の日に「ドンドンドン」と戸を叩く音が聞こえたそうじゃ。 「ばあさんや、この寒い中誰か来たみたいじゃ、ちょっと見てきてくれぬか」