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四度加行を終えて
無事に面接試験を終えて帰ろうとした所、一部生の人たち(四月から八月までの間で加行を終える行者さん達)とすれ違いました。褊衫(へんざん)と言う衣を着て、ちょうど修行が終わった所のようで一目散にトイレへ駆け込んでいました。静かだった真別所内が急に騒がしくなり、三十人ほどの行者さん達が忙しそうにしていました。私も試験に合格すれば、この人たちと同じように忙しくなるのかな?と思いながら、その日は真別所を後にしました。
八月の半ばには、試験の合格通知が届き入所が決定しました。それから入所までのひと月はあっという間に過ぎてゆき、とうとう入所の日の前日となりました。入所当日に遅刻してはいけないと言うことで、前日に山にあがることとなり住職が車で送ってくださることになりました。その日は金剛三昧院に泊り、不安と期待の入り混じった妙な気分を味わいました。
入所当日、朝目が覚めて外を見ますと前日は良く晴れていたのに、空は薄暗く雨も降りだしていました。テレビを付けてみますと台風が来ているようで、夜には上陸すると言っていました。入所当日に雨というのは、あまりよい気分ではないのですが、前に住職が雨は自分の垢を落としてくれると言っていたのを思い出し、気持ちを前向きに変えて、三昧院での朝の勤行に出席し、朝食を頂いてから、徒歩にて真別所に向けて出発しました。