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四度加行を終えて
九月の少し強めの日差しが、松の木や境内全体に降り注いでいました。最初の印象はテレビアニメの昔話に出て来る本堂で和尚さんが木魚をポクポクたたいている様なお寺と思いました。今日から十一月三日までの五十五日間、このお寺で修行や勉強をすると思うとやっていけるだろうかという不安より、これから体験する事への期待で一杯になりました。
入所してすぐに和上様(真別所に居られる行法を伝授してくださる方)よりここで生活する為の心構えや規則等の説明がありました。
ここでは絵に描いたような昔ながらのお坊さんの生活を、連綿と続けているとの事でした。私は今まで師匠の下で勉強させて頂いていましたが、私達僧侶といえども携帯電話も使いますしテレビでニュースやドラマを観たりもします。しかし真別所での修行期間中は携帯電話で話をしたり、テレビを観たりラジオを聴いたりといった娯楽はもちろんの事、自分の師匠以外は家族の者でも一切の連絡を取ることが出来ず、一般の俗世間との接点を持つことを一切禁止されます。最初にこの事を聞いた時は、新聞も電話もテレビもない生活というものに少し不安を覚えました。