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翌朝、朝露がキラキラと光る中を真っ縦の難所の二十七番神峰寺に向かいます。傾斜のきつい上がり坂を1時間半、背中がびっしょりです。時折、木々の間から吹く風がとても気持ちよく幸せを感じます。本堂に通じる石段の下には名水が小さな滝のように流れていて、みんなゴクゴクと飲み、水筒にも入れていました。ひんやりとした山の済んだ空気がとても気持ちよく、リュックを下ろして思い切りの深呼吸です。そしてお勤めが終わる頃には汗も引き、お接待して頂いた熱いお茶とお菓子の美味しかったこと。三十二番禅師峰寺は巨石が重なる境内で、なにか神秘的な感じのする所でした。またここからの眺望は太平洋と土佐湾、美しい松ノ浜、そして手結岬が一望できるすばらしい眺めの所です。ここから海岸線に沿って桂浜方面へと歩き、種崎から長浜にはフェリーに乗り、浦戸湾を渡ります。(この渡しは「へんろみち」とされているそうです。)
三十三番雪蹊寺は桂浜の近くにあり、ここ境内の入り口の平成遍路石に「人生即遍路」の山頭火の句が刻まれていました。
五月は、道は長く、こちらで言う“うどん雨”といわれる大雨にも遭いました。太い雨がすごい勢いで叩き付けるように降り、前が見えにくく進めないほどのどしゃ降りで宿に着いた時はずぶ濡れでした。三十五番清滝寺は、八丁坂と呼ばれる急傾斜の道を登ります。境内には見るからに古そうな苔むした石仏がありました。