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第二法廷は初江王の法廷だ。この法廷は、三途の川を渡ったところにあり、すでに初江王のもとには秦広王からの報告や衣領樹の枝のしなりぐあいのデータが届いている。このデータを見ながら、裁判を行うわけだ。 この第二法廷では、主に死者の殺生の行為が裁かれる。仏教では無益に生き物の生命を奪うことが、最大の罪悪とされているからだ。 
つづいて第三法廷では、宋帝王が、ネコとヘビを使って死者の邪淫の罪を裁く。「汝、邪淫の罪を犯したことありや否や」「いえ、あの、その・・・」この件に関しては、なぜかたいがいの人が返答をあいまいに濁らせてしまう。そうして、あれこれと申し開きを考えているうちに、邪淫の罪を犯した者が男なら、ネコが男性自身にガブリとかみつき、女性の場合なら、ヘビがするすると足元に忍びより、下半身の一点から入り込む。つまり、いくら隠してもすぐに露見してしまうしくみになっているのだ。
さらに七日後には第四法廷、五官王の裁きが待っている。ここには死者の生前の言動における悪を一瞬にして量る魔法の秤が置かれている死者はこの秤にいやおうなく乗せられ、来世の行き先が即座に表示される仕掛けになっている。そうして、地獄行き≠宣告された多くの死者は、ひたすら五官王に懇願して、あと七日間の猶予を乞う。今でいえば、死刑囚の再審請求といったところである。